小児歯科
子供の歯科治療は大人と違うのですか?

子供にとって最も重要なことは、この時期にきちんとした生活習慣および食事習慣を身につけることです。大人は治療を目的化してしまうので、早く済ましてしまいたいと考えてしまいがちですが、子供の場合は治療に至までの過程も大事です。
例えば虫歯が1本あったとします。そこで、治療をその虫歯だけにしても、すぐ他の歯も虫歯になってしまういます。虫歯になったのは何故なのか、その原因となる習慣を改善していくことが大切です。もちろん大人でも同様ですが、大人の場合は一度身についた習慣はなかなか変えられません。習慣というものは子供の定着させておきますとその子にとって、一生の宝になるでしょう。
朝から元気に早起きして、朝食をしっかり食べて活発に遊ぶ、さっぱりして気持ちいいから歯磨きをちゃんとする。そのような生活習慣を、基本的な日常生活の中でを身につけさせるのが、子供の歯科治療、つまりは小児歯科治療の基本となります。
はじめて歯科の診療椅子にすわることは、子供にとって不安と恐怖であることは間違いありません。ましてや見慣れない器具や薬品のにおいの中で、さらに痛みに耐えじっとしていなければならないことが加わればさらに辛いことになります。したがって子供が、歯科治療を拒否するのは当然のことなのです。歯科医師はそのことを十分に踏まえて、その子供にあった治療をしていきます。個人差もありますので初めから上手に治療できないかもしれません。椅子にすわるところから始め、徐々に慣らしていきます。
もちろんきちんと治療できる場合は問題ありませんが、何もしないで様子を見るという場合もあります。子供と歯科医との間に信頼関係をつくる大事なステップです。
以上のように子供は、治療をすること自体が困難なことも少なくありません。きちんとした食生活や歯磨きの習慣を身につけさせることが最も重要です。治療よりも予防が大事なのです。
妊娠中はどうして虫歯になるのですか?

「おなかの中に赤ちゃんがいて、どんどん育っていくと、母親の身体から栄養が赤ちゃんにとられ、母親の歯も弱くなる」と思われる方もいるかもしれませんが、一度できた歯からカルシウムが出て行き、歯が弱くなるということはありません。でも、実際に虫歯になったり、歯ぐきから出血しやすくなったという人は多いものです。その原因は口の中の『汚れ』です。
歯磨きが怠りがち、唾液の性状の変化、ホルモンの変化、偏食、間食回数の増加などにより『汚れ』が口の中にたまり、虫歯や歯肉炎になりやすくなるのです。
健康な人が普通の生活をしているときでも『汚れ』は、なかなか取りきれません。また、妊娠中は敏感になるため前からあった虫歯や歯肉炎が痛んだりすることがあります。妊娠に気がついたら、歯科検診を受け、早期治療に心がけてください。
癒合歯とは
2つの正常な歯がまだ歯胚(歯の元)の状態にあるときに合体したものを言います。
歯の一部分が分かれたものから、歯冠が完全に分かれて、歯根がくっついて共有するものまで色々とあります。
永久歯よりも乳歯に多く、下の前歯に最も多く見られます。
一般に乳歯が融合した場合、その後の永久歯は欠如したり融合したりすることが多いです。
また、融合乳歯の近心側後継永久歯の欠如が見られます。
どうしてよく噛まなければいけないのでしょう?
よく噛むことによりいろいろなメリットがあります。唾液の分泌量が増え、胃腸での消化吸収を高めます。唾液には発癌物質の毒消し作用があると言われているので、よく噛むことにより食べ物が唾液とまざり癌予防の働きをします。
良く噛むことにより、脳血流量が増加し脳が活性化されます。
子供の頃から固いものをよく噛むことにより顎の骨を刺激し、しっかりした顎に成長させることも期待できます。スプーン一杯の食べ物を口に入れたら、30~50回噛んでから飲み込むのが理想だという話があります。
あなたは一口で何回噛んでいますか?
子供が食べ物を飲み込むときに舌を出しています。
そのせいか上下の前歯も噛み合っていません。どうしたらよいでしょうか?

日頃、ポカーンと口を開けてテレビを見ていたり、無心になって遊んでいる時に上下の歯の間に舌が出ていたり、飲み込むときに舌を突き出し、歯を押すような癖を舌癖といいます。
私達は無意識に一日に600~2000回飲み込む動作をしていますが、歯並びに悪い影響を与えない正しい飲み込み方をします。
くちびるを閉じて舌を上顎につけ、奥歯をかみ締め、のどを使って飲み込みます。
舌癖のある人は、いつも舌が口の中の前下方にあり、歯を押しています。そして飲み込む時には、さらに押し出す強い力が歯に加わります。
舌癖のある人は、いつも口を開けているため、舌が内側から歯を押す力に対して、外側から押さえるくちびるや、ほほの筋肉に力がありません。そのため、舌癖が原因で出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間が開いたり、上下の歯がかみ合っていない状態になることがあります。
また、話をする時に、隙間に舌を入れてわざと息が漏れないようにし、舌足らずな発音になることがあります。
しかし、乳歯から永久歯に生え変わるときには、歯の大きさの違いから隙間は存在します。
舌癖の有無については歯科医院で確認してもらうと良いでしょう。
舌癖をなくす方法や口の周りの筋肉をトレーニングする方法等を教えてもらえるでしょう。
7歳の子供ですが、上の永久歯の前歯が出て着ました。
2本の歯の間に隙間があるのですが、このままで良いでしょうか?
上の前歯2本の間隔が開いて隙間があることを、正中離開と言います。
正中離開には、生理的(正常)なものと異常なものがあります。生えたばかりの永久歯の前歯では、ほとんどの人が離れて出てきます。生えてから2,3年たち、犬歯が生えてくる時に離開が閉じてきますが、自然に閉じないものもあります。
例えば、余分な歯(過剰歯)が正中部に埋まっていることや、上唇から伸びている「すじ」が硬く正中に入り込んでいる場合、前から2番目の前歯が奥にある場合等、処置が必要な場合があります。
3ミリも開いていても自然に治る場合もあれば、1ミリでも治らないこともあります。歯科医に相談してください。
三歳児歯科健康診査でA型の虫歯と言われました。どんな状態なのですか?

三歳児健康診査では、口の中の状態を大きく四つの型に分けて説明しています。
四つの型とは、O型=虫歯が認められない、A型=上の前歯か臼歯のどちらかに虫歯が認められる、B型=上の前歯と臼歯の両方に虫歯が認められる、C型=下の前歯に虫歯が認められる。
A型からB型、C型となるに従い、虫歯は重症となります。
とくに、C型の場合には、最も虫歯になりにくい下の前歯にも虫歯があるわけですから、二十本全部が虫歯と考えて良いと思います。本来、三歳児では、虫歯が無くて当たり前と思ってください。
たとえA型でも、虫歯があれば、甘い物の量、種類、生活のリズム・習慣、食物の固さ、歯ブラシなどのどこかに問題があるはずです。改善してこれ以上虫歯をつくらないようにしてください。
永久歯はいつ作られますか?
永久歯の芽は妊娠4ヶ月頃よりでき始めますが、固くなり始めるのはちょうど生まれる頃からです。
3歳児では、6歳臼歯の頭の部分はほぼできあがっていますが、他の歯は、まだ作っている最中です。
『親知らず』を除く他の永久歯の頭の部分が全てできあがるのは8歳頃になります。
乳歯はお母さんのお腹にいるときに、永久歯は生まれてから自分の力で作ると理解してください。
永久歯は乳歯に比べて長い時間をかけて丈夫な強い歯になります。
バランスのとれた食生活をしないと強い歯はできません。また、乳歯の虫歯をそのままにしておき、腐ってしまうとその下で作られている永久歯に影響が出ることもあります。
永久歯が生えるのは?

永久歯には乳歯が抜けて生えかわる歯と、生えかわらずに奥の方に生えてくる歯があります。
6歳前後に下の前歯が抜け、永久歯が生えてくる子と、乳歯の後ろに6歳臼歯が生えてくる子がいます。
6歳から7歳に下の前歯4本が、7歳から8歳に上の前歯が生えかわります。前歯と6歳臼歯にはさまれた乳歯3本が9歳から12歳に生えかわります。
乳歯が生えてくる時にも個人差がありますが、永久歯ではもっと大きく6歳臼歯といわれる歯でも、4歳から8歳くらいまで大きな幅があり、どれもが正常です。
生えたての永久歯は柔らかく、虫歯になりやすく、進行も早いので注意が必要です。特に6歳臼歯は頭が少しでも見えたら丁寧に磨くことが重要です。
永久歯の先天欠損について
先天欠損とは、生まれつき歯が顎の中に作られず、歯が生えてこないことを言います。
原因としては、諸説色々あります。人間は進化の過程で少しずつ歯の数を減らしてきていますが、その進化系であるとの考えが一般的です。
男性よりは女性に多く、近年では第3大臼歯(親知らず)の欠損は一般的で、歯列には数えないことが多いです。
ヒトの歯は、前から順に(片側)前歯2本、糸切り歯(犬歯)1本、小臼歯2本、大臼歯3本ですが、糸切り歯(犬歯)を除いて、後ろの歯が先天欠損になりやすいです。
前歯では側切歯、小臼歯では第2小臼歯、大臼歯では第3大臼歯といった具合です。
歯の数が足りなくても大きな問題にならないことが多いですが、歯と歯の間が大きかったり、傾いていたり、重なってしまっているとハブラシがうまくできないことが多く、虫歯になりやすかったり、歯周病のリスクが大きくなってしまいます。
また、将来歯の数が足りないことがコンプレックスになることもしばしばあるようです。
治療方法としては、ほとんどの場合が矯正治療になりますが、ブリッジ等の補綴処置や、インプラント等の治療が必要になる場合もあります。
乳歯が生えるのは?
誕生して、6から9ヶ月のある日、赤ちゃんの下の歯ぐきから真白な前歯がちょっぴり除きます。何と神秘的な喜ばしい出来事でしょう。
やがて上の前歯が生えはじめ、順次後方に向かって左右対称に生えてきます。左右はほとんど同時に生えますが、上下では少し差があります。
そして、2歳から3歳頃に乳歯20本すべて生えそろい、この頃から5、6歳までの約3年間、乳歯だけで食べることになります。
表(下記)に萌出時期の目安を示しました。
歯の崩出は個人差があるものです。なかなかは生えそろわないと全身の発育も遅いような気になります。
しかし、生えてくる時期は10ヶ月もずれる場合もあるので、ほとんど心配ありません。あまり気になる時は、歯科医に相談するのも良いでしょう。
| 歯 | 標準萌出時期 |
|---|---|
| 乳中切歯 (にゅうせっし) | 生後6~9ヶ月 |
| 乳側切歯 (にゅうそくせっし) | 12~14ヶ月 |
| 乳犬歯 (にゅうけんし) | 17~18ヶ月 |
| 第一乳臼歯 (だいいちにゅうきゅうし) | 16~17ヶ月 |
| 第二乳臼歯 (だいににゅうきゅうし) | 21~26ヶ月 |
乳歯の先欠について

お子さんの歯(乳歯)がなかなか生えてこないという訴えで来院される方が最近増えているようです。
一般に、生後6ヶ月後に下の前歯、次に上の前歯が生えてきます。
もちろん個人差はありますが、1歳半検診の時期には上が8本、下が8本、計16本の歯が生えているのが平均的な歯数です。
また、出産時すでに歯が生えている先天歯と呼ばれているものもあり、これに関しては専門的な検査を受けることをお勧めします。
歯の先天欠損と比較すると、その症例は少ないようです。
但し、乳歯の先天欠損が認められる場合、後継(永久歯へ生えかわる大人の歯)も欠損を伴う場合が多く、将来的には歯並びまで考慮した上での精密検査・診断が必要となってきます。
6歳臼歯はなぜ大切ですか?
子供が成長して小学校にあがる頃になると、今までの乳歯の後方にこっそりと生えてくる歯があります。
6歳臼歯といわれるもので、これがなぜ大切かというと、
(1)永久歯の臼歯の中で1番早く生えてくる。
(2)永久歯の中で1番大きい。
(3)1番大きいかむ力を持っている。
(4)噛み合せの中心となり、あごの上下・前後の関係を保ち、歯の生えかわりの主軸となり、かむ筋肉などの調和を保っている。
(5)永久歯の中で1番虫歯にかかりやすく、その進行も早いと言われます。
これは、かむ面が複雑な形をしていることと歯磨きが上手にできない時期に生えるためです。
6歳臼歯は口の中の大黒柱です。
















